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市販薬の安全性に関する医師調査、の公開スライドは合計18枚です。

本ページは、いただいたコメントやご質問などへのお返事などをもとに、随時更新をして参ります。

お問合せは「当社へのお問合せ」からお願いします。

[更新日 2016年7月4日]

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2009年実施の医師ネット調査の結果です。

外来患者が服用した市販薬の成分特定を目的とした「クスリ早見帖」という冊子の制作前に実施した、事前調査のひとつになります。

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質問の並び順を示しています。

 意識:市販薬情報の必要性
   ↓
 事実:病歴聴取の実際/市販薬をすすめるケース
   ↓
 意識:市販薬成分評価

の順に質問しました。

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医師は男性が多いです。

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本調査では内科系の回答が大半を占めました。内科系50%、外科系50%などにコントロールする調査設計(セル設計)にすることもありますが、本案件では特にコントロールしませんでした。

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本調査では、回答が診療所と病院とで同程度となるようにコントロールしました。

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市販薬の成分について、安全性評価に関する意識と、成分認知を質問しました。

医療現場には、市販薬の情報はあまりはいってきませんので、具体的な情報を知らない医師が多いかもしれないと考え、どのくらい市販薬成分が認知されているか、質問に加えました。

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リスクが高いとされる第一類を最上位に、リスクが低いとされる第三類を最下位に並べました。

安全性に「問題ある」を赤系の色にしておりますので、上位で赤系の割合が多くなるはず、と考えて作成したグラフです。

しかし、第二類の成分で安全性に「問題ある」との回答が目立つ結果でした。

2009年施行の改正薬事法から市販薬パッケージ等に表示されることになったリスク区分と、診療を担当する医師による市販薬成分の安全性に関する評価にはギャップがある、と解釈できる傾向を見出せるのではないでしょうか。

安全性に問題ある、との回答を引き出したのは、「アスピリン」と解釈できそうです。

なぜアスピリン?、については下位のスライドにて説明しました。

ちなみに、2009年の調査であり、まだロキソプロフェンの市販薬はありませんでした。

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本質問の中で、医師に最も知られていない市販薬成分はイソプロピルアンチピリンでした。ピリン系の成分です。

この成分は、医療用医薬品としては単剤では使われておらず、あまり知られていない成分であるため、このような結果になったのではないかと考えます。

その他、「合剤」とミコナゾールの外用薬も、その他の成分に比べると、あまり知られていませんでした。

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ほとんどの医師が、市販薬の服用状況を確認することを必要と回答しました。

なぜ必要か、詳しく聞いた結果を次に示します。

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リスク評価関連/患者教育関連/診断関連/処方関連の4区分を設け、回答を整理しました。

【補足: 抗血小板作用のある薬剤】
抗血小板作用のある薬剤を服用した患者が出血すると、時に止血が難しくなることがあります。そのため、侵襲ある検査や手術の前では、抗血小板作用のある薬剤は問題視され、服用していたがために、中止・延期になることもあります。特に注目される薬剤はアスピリン(アセチルサリチル酸)。血栓が関わる病気の狭心症などで、抗血小板作用による血栓予防を目的にアスピリンが使われますので、その服用確認は必須となっています。

アスピリン以外のNSAIDs(イブプロフェン、ロキソプロフェン、エテンザミド、サリチルアミド、アルミノプロフェン)にも抗血小板作用はあるため、問題視される場合があります。2014年夏のデング熱流行時にNSAIDsを避けるよう報道もありました。覚えている方も多いのではないでしょうか。

【補足: 市販薬の乱用】
・詳細→薬剤師を情報源とする医薬品乱用の実態把握に関する研究

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【補足: 薬物乱用頭痛】
・詳細→日本頭痛学会: 薬物乱用頭痛の説明


【補足:偽アルドステロン症】
市販薬・処方薬に含まれる生薬成分の甘草や、グリチルリチンによる有害事象。
PMDA 患者の皆様へ
厚生労働省 医療関係者の皆様へ

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市販薬服用状況を確認する手段には、主に問診票と問診の2ルートがありますので、その実態をお聞きしました。

半数以上の方が、両方とも使うという結果で、どちらでも確認しないという方は2%でした。

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本スライドと次のスライドで注目したのは、確認できて「ない」内容です。

問診票でも問診でも、服用した「成分」と「量」の確認ができていないと解釈できる結果です。

服用した薬の「成分」と「量」の情報は非常に重要です。

例えば、高熱などの症状が数日続く患者が、診察時に平熱であった場合、病気がよくなってきているのか、来院前にのんだ市販薬の効果が一時的にでているだけなのか、など診療上重要な判断に影響を与える場合もあります。じんましんやアスピリン喘息などの市販薬の副作用がでた場合などでも、成分不明であると困ります。

成分不明診療は出来るだけ避ける必要があります。

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問診票でも問診でも、ほぼ同様の結果でした。

当社では患者の服用した市販薬の成分特定を助けるための「道具」にニーズあり、と結論しました。

そして、この結論のもと、クスリ早見帖を開発することにしました。

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市販薬のことを問診票で質問するか、否かは、医師によって様々であることがわかりました。

ここでは、問診票を使っていない方に、その理由を聞きました。

いろいろと示唆に富む結果でしたが、これまでの結果を含め、市販薬は大きな問題ではない(市販薬軽視)と考えている医師は少ない、と結論しました。

市販薬軽視の医師が多い場合、市販薬成分特定用の「道具」へのニーズは少ないと判断されるため、当社的には重要なポイントとなりました。

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本スライドで最後です。

ここまでの質問から、ガラッと視点をかえて患者に市販薬をすすめるケースをお聞きしました。

市販薬をすすめるケースが「ある」と回答したのは3割弱でした。

シチュエーションと具体例を読むと、様々なパターンが存在することがわかります。どうぞ、ご一読ください。



それでは、ここまでお付き合いいただきまして、有難うございました。