エヌセイド(NSAID) / 非ステロイド性抗炎症薬

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【呼称に関する問題】

 NSAIDはNon-Steroidal Anti-Inflammatory Drugの略で、「NSAIDs」と複数形で表記されることも多い。エヌセイドというカタカナ表記は、厚生労働省の「非ステロイド性抗炎症薬による喘息発作」の患者向け文書を参考にしたが、その他、「エヌセイズ」や「エヌセッズ」と記されることもある。Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugの和訳では「非ステロイド性抗炎症薬」と記されことが多いが、「非ステロイド性消炎鎮痛薬」「非ステロイド性鎮痛薬」と記されることもある。本サイトでは、市販薬について、一般の方が口頭で質問することを想定し、エヌセイド(NSAID)とカタカナメインの用語で、タイトル起こしを行った。

 エヌセイド(NSAID)は、解熱鎮痛成分として使われることの多い成分グループの呼称で、医薬品ではポピュラーな存在である。多くの種類のエヌセイド(NSAID)が市販薬、医療用医薬品の両方で使われている。日本の市販薬では、元々多くの種類のエヌセイド(NSAID)が利用されており、昨今、ロキソプロフェンやアルミノプロフェンなど新たな成分も追加されている。エヌセイド(NSAID)は、市販薬(内服)としてはかぜ薬と解熱鎮痛薬で使われている。

 エヌセイド(NSAID)には、胃を荒らす胃粘膜障害や抗血小板作用、肝障害、腎障害、薬疹など副作用のため、市販薬成分の中では最も注意を要する成分である。エヌセイド(NSAID)の服用を避けた方がよい感染症の流行(デング熱など)も突発的に発生することもあり、その際は広く国民に向けてアナウンスされる場合がある。

 一般の方向けにアナウンスでは、エヌセイド(NSAID)に該当する成分には多くの種類があることから、成分グループの呼称で呼ばれることもあるが、上記の通り用語統一されておらず、一般の方々への説明の際には、それを前提とした配慮が必要となる。

 例えば、メディアからのアナウンスで「イブプロフェンなどの非ステロイド性消炎鎮痛薬の服用を避けましょう」とあれば、医療従事者はイブプロフェンだけでなく、アスピリン(アセチルサリチル酸)、ロキソプロフェンなど他のエヌセイド(NSAID)も使ってはいけないと解釈するのが一般的であるが、一般の方は「アセチルサリチル酸はイブプロフェンとは違うので大丈夫」と考えるかもしれず、誤った判断につながるリスクが懸念される。一般向けにアナウンスする際は、すべての該当する成分名を示すなど、工夫を要する状況にある。

 日本の市販薬(内服)で使われているエヌセイド(NSAID)のうち、本サイト掲載中の製品で使われている成分を示す(*全製品からの検索結果ではない)。

  ・サリチル酸系 :アスピリン(アセチルサリチル酸)アスピリンアルミニウムエテンザミドサリチルアミド
  ・プロピオン酸系:アルミノプロフェンイブプロフェンロキソプロフェン

 なお、解熱鎮痛薬として広く使われている「アセトアミノフェン」は、抗炎症作用がほとんどなく、「エヌセイド(NSAID)」には含めないとする定義がメジャーであるが、「アセトアミノフェン」を含めて「エヌセイド(NSAID)」と説明している書籍やWEBサイトもあるため、「エヌセイド(NSAID)」をどのように定義しているか、読み物ごとに確認する必要がある。

(文責:平 憲二 2019年2月2日)