薬物乱用・薬物依存

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●参考文献:登録なし   ●関連文書:登録なし

 

下記はクスリ早見帖副読本 医師が教える市販薬の選び方(PHP研究所)から。一部改変。

 

 薬物乱用とは、薬物を社会規範から逸脱した目的や方法で、自己摂取することです。市販薬においては、定められた用法・用量・期間を守らずに服用することや、効能に書かれている症状もないのに服用したりする目的外利用は、薬物乱用にあたります。

 薬物依存とは、薬物の乱用を繰り返した結果、脳に生じた異常状態のことで、薬物を再び使いたいという気持ちが抑えられなくなり、繰り返し使うようになるなど、たいへん困った状態です。薬物乱用は「行動」で、薬物依存は「状態」ということです。

 薬物乱用を繰り返しているうちに、薬物依存になってしまい、日常生活にさまざまな不都合や不利益が生じていることを理解しながらも、自らの意思では止めることができなくなるなど、ひとたび薬物依存になってしまうと、抜け出すことが困難な状況になります。

 眠りやすくなる成分、眠気覚ましの成分を含む市販薬、多くは合剤(成分が2つ以上のクスリ)ですが、それらを含む市販薬で薬物依存になってしまう方がいます。市販薬の薬物依存になることを防ぐには、不要な成分を飲まない、飲む場合はできるだけ短期間にする、などの姿勢が重要になります。

 処方せんを必要とする医療用医薬品では、ブレーキ役として医師や薬剤師がいますが、市販薬の場合は、ブレーキ役をはさまなくても購入できる製品がほとんど、という状況になっています。

 薬物依存になってしまってから、抜け出すことはたいへんです。市販薬を購入する際は、その点にも注意し製品を選択してみてください。